3-4.エッチング

エッチング

リソグラフィで生成されたパターンに沿って、薬品やイオンの化学反応(腐食作用)を利用して形成したウエハーに形成した薄膜を形状加工する工程。チップとして不要な部分を除去していく技術でウェットエッチングとドライエッチングの二方式がある。

エッチング

エッチング

エッチングの工程

  1. フォトマスクによる露光でえられたパターン現象を行い、不要なレジストを除去
  2. 残ったレジストをレジストマスクとして、ウエハー上の不要な酸化膜をエッチング除去
  3. 不要になったフォトレジストを除去して、所望の形状に加工された酸化膜が出来上がる。

ウェットエッチング

硫酸や硝酸、リン酸、フッ酸などの薬液を使用した腐食作用によって形成した薄膜の形状加工を行っていく。デメリットとしてやり残しを防ぐために薬液を攪拌したり、ゴミがつかないように気泡を発生いされたりする必要がある。ただし、エッチング膜が外側から細くなってしまうため、微細パターンが必要な現在は、この方式が使用されることが少なく、薄膜を全面的除去したり、洗浄工程などで利用されている。なお、ウェットエッチングでは石英やテフロンなどでできたエッチング層内に薬液を貯め、そこにウエハーを浸漬するディップ方式とウエハーを支持台に真空吸引あるいは機械的にチャッキングし、回転させながら薬液をスプレーしてエッチングを行うスピンエッチング方式がある。

メリット

  1. 薬液が安い
  2. 一度に数十枚のウエハーを処理できる
  3. ウエハーに与えるダメージが低い

デメリット

  1. 腐食が等方向性なのでマスクの横方向にもエッチングが進行し、エッチングの厚さ方向は外周から細ってしまう。
  2. 微細パターンの加工には向かない。
  3. 腐食精度が悪い

ドライエッチング(平行平板型反応性イオンエッチング法)

液体の薬品を使わずに行う。現在の主流となっており、エッチング工程の9割以上で使用されている。

材料膜 薬液
酸化膜(SiO2) フッ酸(HF)

フッ酸+フッ化アンモン(NH4F)

窒化膜(Si3N4) 熱リン酸(H3PO4)
多結晶シリコン フッ酸+硝酸(HNO3)+ヨード入り氷酢酸(CH3COOH+l2)

メリット

  1. 薬品を使わなない
  2. 微細パターンが可能で加工精度が良い
  3. 後工程で洗浄がいらない
  4. レジストとの選択制が高い

デメリット

  1. 結晶欠陥や汚染などのダメージ
  2. チャージアップによる絶縁破壊
  3. パターンの粗密による速度が異なる(マイクロ・ローディング効果)

 

反応イオンエッチングRIE

イオンをぶつけてレジストにマスクされていない部分を削り取る方式。プラズマ放電を行う電極テーブルが設置された真空容器内にウエハーを入れ、ウエハーの薄膜材料に合わせたエッチングガスを注入する。そのうえで電極に高周波電圧を与えてガスをプラズマかし、プラズマ化されたガスは、プラスの電極に置かれているウエハーに衝突していきます。ガスは垂直方向に加速されて衝突するため、薄膜上のマスクの形状と同じに薄膜のエッチングが行われ微細加工が実現する。

材料 材料 エッチング
半導体 Si(trench) SF6+フロン系 or Cl 、SiCl4+N2
半導体 Poly-Si

ポリサイド

HBr系

Cl2+O2、HBr

絶縁膜 SiO2 CF4、CHF3、高次フロン(C5F8)など
絶縁膜 doped-SiO CF4など
絶縁膜 Si3N4 CF4など
メタル膜 Al+バイアメタル BCl+Cl2
メタル膜 W+グルーレイヤー SF6、NF3+Cl