デジタルIC、アナログIC、ミックスドシグナルIC

デジタル量とアナログ量

まずはアナログ量とデジタル量についてまとめましょう。最近は一般的になってきました。

アナログ量:音の大きさ、明るさ、長さ、温度、時間などのように人間が自然に取り扱っている情報(テープレコーダーやVHS)

デジタル量:アナログ量を0と1で数値化し表現したものです。(CDやDVD)

CDやmp4はもともとの音から人間が聞こえる音だけ記録しているので、実際の音の感じ方とはずれが生じます。ユーミンのライブにいくと、CDやmp4の印象とはぜんぜん違うと言います。デジタル量は1と0だけの信号さえ性格であればどこでも同じものが作られるという利点があります。E-mailも文章そのものを送っているわけではなく、0と1の信号を送り、相手先のPCで再現しています。

デジタルICとアナログIC

デジタルIC:微細化による集積度アップと低消費電力化が実現できる。(システムLSI)

アナログIC:原データを忠実に増幅することが必要。(DVD回路、カメラのセンサ回路、大出力のための電力増幅回路など)

一般のイメージではアナログは古くて使い物にならなく、デジタルが支配的だという印象がありますが、実際のLSIの中では、実際にはアナログ回路とデジタル回路が複合して使われています。これをミックスドシグナルIC、もしくはアナログ・デジタル混在LSIともいい、スマートフォンでは、様々なアクセサリレギューレータや高周波レギュレータだけでなく、省電力化を実現するために各ブロックの電源制御を行うために使われています。

ミックスドシグナルIC:アナログ回路(アンプ、AD/DAコンバータ)やデジタル回路(CPU、メモリ)を併せ持つ

 

デジタルIC

デジタルICとは、デジタル量を扱うため、トランジスタやダイオードのスイッチング動作を利用し、各種の論理演算を行います。もちろん、0と1であらわせるのがデジタル量なので、回路内には1、0(またはH,L)のデジタル信号が流れています。なお、論理回路をトランジスタやダイオードによって作ることができるのは、トランジスタやダイオードがオン、オフ動作をするからです。逆に言えば、オンオフ動作さえしてくれれば、トランジスタやダイオードでなくともデジタル量を表すことができます。一般的なE-mailやwebサイトやアプリからGoogleの検索機能まですべて0と1で表しています。高校数学で行ったと思いますが、論理回路は論理否定、論理和、論理積の三つの基本回路で組むことができます。自分は基本情報技術者試験で勉強しました。プログラミングを学んでいると、感覚的にわかってきました。

デジタルICの回路とパッケージ

デジタルICの回路とパッケージ

バイポーラ型とMOS型

デジタルICはバイポーラ型とMOS型に区分けされます。

バイポーラ型:DTL,TTL,ECL,I2Lなどの論理素子

MOS型:P-MOS,N-MOS,C-MOSによる記憶素子や論理素子

 

CMOS:P-MOSとN-MOSの組み合わせによる論理素子であり、これは消費電力が小さいのが特徴で高集積化に適しています。

TTL:これはDTLを原形としたものでTTL

アナログIC

トランジスタの増幅動作を利用したもので、入出力信号の処理は、トランジスタの増幅作用を利用しています。また増幅器の集積回路は、トランジスタの作動増幅器を主体にした、オペアンプ(演算増幅器)であり、これはほぼ理想的な増幅器として扱うことができます。

理想的な増幅器

①増幅度が無限大

②入力インピーダンスが無限大

③出力インピーダンスが無限小

④増幅できる周波数範囲が無限大の用件を、ほぼ満たした安定度の高いリニアアンプ