半導体メーカー

半導体メーカー

半導体産業は、半導体メーカー(半導体製造)を中心にして、その周辺に高度な技術を伴う多岐にわたる産業(製造装置、検査装置、製造装置用付帯装置、材料/部品、設計ツール)などが一体となって成長しています。外国系半導体商社協会(DAFS)が取り扱っているデバイスメーカーが約400社。このうち、世界で知られる大手は30~40社あげられる。主な製品カテゴリーは下記の通り。

  1. ディスクリート(個別半導体)
  2. 光半導体
  3. マイクロ波デバイス
  4. センサ
  5. 集積回路
  6. ハイブリッドIC

日本半導体

日本の半導体関連産業はウエハー事業などから徐々に立ち上がり、1985年以降の日本の半導体産業成長に合わせて製造装置産業も急速に国産化が進み成長しました。材料/部品についてもほぼ歩調を合わせて成長していきます。しかし、唯一設計ツールについてはほぼアメリカ系企業に独占されています。

ファブレスメーカーとファンドリーメーカー

ファブレスメーカー:設計を専門とし、生産はファンどりメーカーなどに委託する。工場(ファブ)を持たない半導体メーカー。

ファンドリーメーカー:生産受託のみの半導体製造専門会社。製造工程の前工程と後工程を受け持ち、チップの製造から組み立てまで全行程を担う。

IPプロバイダー:開発した設計資産(IP)を半導体メーカーなどに販売する。

組み立てメーカー:後工程の組み立てだけを請け負う。

メーカーの経営は得意なひとつの分野に経営資源(人・物・カネ)を集中することによって、他社に追いつけないほどの技術や設備を伸ばし競合他社に優位に立とうという傾向にあります。そうした流れの中でファンドリーメーカーとファブレスメーカーは共存関係にあり、技術の共有化などによって共同開発したり、ファブレスメーカーからの生産委託を受けてファンどりメーカーが製造するなどが行われています。この関係がうまくいくことによって、ファブレスメーカーは工場に投資しなくて済み、費用的にも時間的にも開発や設計に集中投資できるようになります。アメリカのベンチャーで発展しましたが、ファンドリーメーカーはアジアを中心に伸びてきています。ファブレスメーカーは、一見すると後進国タイプのメーカーと思われがちですが、ファブレスメーカーとの間で、高機能製品や微細加工プロセスを共同開発することにより、最先端技術を有しており、技術の保有する半導体開発のトップランナー企業が多くあります。

メガバトルとミニファブ

半導体産業は製造業でまれにみる大規模投資を必要とします。製造装置が高額なうえ、生産に必要なクリーンルームや超純水装置など、投資費用は兆円単位になるといえるでしょう。そして半導体を製造するための電気代は膨大なものとなり、一企業の出資だけでは成り立ちません。その上、投資回収できる見込みは難しく、設備投資前に「生産受託契約」を結び、投資回収のめどが立つように企業判断を行います。

メガバトル:多額な費用を必要とする半導体の設備投資において巨大企業がぶつかり合う状態

ミニファブ:過度な競争を避け、変化の激しい市場の要求に沿えるように多品種少量生産、あるいは特定の分野に絞った専門系企業

メガバトルはある限られた企業が巨大な設備投資をすることによって成熟した市場の中でシェアを奪う一方、ミニファブはユーザーからの要求に応じて柔軟に生産規模の拡張や縮小ができる生産ラインでシステムLSIのような多品種少量生産を短期で納品することを狙う。この二つの方向性はお互いを補完しあうことによって産業の安定化を担うことに役に立っている。

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