半導体商社

半導体商社

半導体には半導体メーカーと半導体製造装置メーカーを結ぶ半導体商社という業界があります。半導体商社は主に半導体デバイス(半導体部品、半導体製品)を扱う商社ですが、単にメーカーから顧客へ、右から左へ流すだけの御用聞きスタイルではありません。むしろ、半導体に関する高い技術力を保有し、独自商品の開発や技術サポートに力点を置いている技術系専門商社であるといえます。

半導体商社

半導体商社

営業実態

営業業態は、仕入れ先の半導体メーカーと代理店契約があるいは特約店契約を結び、契約先の半導体デバイスを独占的に販売しています。しかしながら、顧客販売先が限定されているケースも多く、良くも悪くも営業は限定的であるといえます。

企業形態

メーカー系:半導体メーカーの子会社系列店で系列メーカー製品のみを扱う
独立系:メーカー系列にとらわれず、複数の外国製品や国内製品を取り扱う商社

一見独立系のほうが営業しやすいように見えますが、商権という大きな要素が左右します。

商権:特定の顧客と独占的な取引ができるようにメーカーが半導体商社に与えている権利。この権利を持っている限り、ほかの商社はその顧客に対して営業活動ができない。

半導体商社は技術に精通した営業マンに加え、この“商権”を武器に営業しているといっても過言ではありません。しかしながら、半導体メーカー同士の事業編成や外資系メーカーの対応によって商権は流動化していき、中小規模の半導体商社は淘汰されている傾向にあります。このことは同時に営業マンの流動化も引き起こし、商社の環境は大きく変化しています。

デザインイン

さらに半導体商社の環境は激変していきます。日本国内の半導体には上場している半導体商社だけでも30社以上あり、二次商社や三次商社などの末端の半導体業者まで含めると1000社以上あるといえます。このような日本特有の複雑な流通システムは、半導体の高度システムLSI化、ライフサイクル短縮化、直販増加によるマージンの低下、世界的規模での一括購買業務増加などの傾向のなか、厳しい経営環境に追い込まれています。
また一方では、ハードウエアとソフトウエアの統合的サービスが重要になっています。これらの技術サービスのひとつに半導体メーカーとユーザー間に立って、新製品の設計、開発、試作にいたるまでのサービスを行う、デザインイン機能があります。半導体メーカーの設計部門の一部を肩代わりし、またユーザー要求をいちはやく取り入れて半導体メーカーと顧客への付加価値機能を高めています。

ソリューション・プロバイダー

ソリューションプロバイダーとは、ハードウエアとソフトウエアの協調を通じて顧客要求に応じたシステムを構築し、トータルな問題解決を図ることのできる事業のことをいいます。
半導体市場の変化、グローバル時代に対応すべく、半導体商社ビジネスの成否は、遅延なく製品出荷を行う物流機能に加えて、取り扱い製品の高付加価値化、あるいは顧客ニーズをいかに解決するかなどのソリューション・プロバイダーとしての機能にかかってきているといえます。

代表的な半導体商社

Avnet
Arrow
WPG
UKC
丸文
加賀電子
マクニカ
リョーサン
菱電庄子
三信電気
トーメンエレクトロニクス
立花エレテック
新光商事
伯東
菱洋エレクトロ
ルネサスイーストン
富士通デバイス
ユーエスシー
カナデン
共信テクノソニック
バイテック
東京エレクトロンデバイス