半導体製造装置メーカー
どんなに優秀な半導体技術者を集めたとしても、半導体の製造装置がないと半導体は作れません。途上国型の半導体メーカーは半導体製造装置を購入して初めて半導体を作ることができます。半導体製造装置メーカーからすれば、半導体メーカーが半導体を作れば作るほど、製造装置が必要になるのでなにもしなくとも利益をあげることができます。
その昔、ゴールドラッシュのアメリカでは、金を取りに行く人々より、金を取りに行く人々にジーンズを売る企業が一番の利益を得た、という話がありますが、半導体という果実を得たいという人々に半導体製造装置を販売するほうが、非常に高い利益率を上げることができ、前者より過当競争を避けることができ、安定経営に結びつけられるかもしれません。この半導体製造装置は物理化学、機械工学、電気工学、材料工学をはじめ、高分子物理化学や金属工学、コンピュータ制御工学など最先端の科学技術の結晶といえます。
半導体製造装置シェア
半導体製造装置の規模は半導体市場に対して約15%と推察されており、仮に半導体産業が30億円規模とすると5兆円あまりが半導体製造装置の規模だといえます。ただ半導体製造装置は半導体製造装置“部品”を作る企業がないと作ることはできなく、その市場は7億円に上るといわれています。これら半導体製造装置、あるいはその関連企業は日本企業が大きく活躍しており、トップのアメリカと合わせて80%のシェアを占めています。今後、半導体の微細化が見込まれることから、その規模や技術的優位性も一層高まっていくと思われます。
苦戦する露光装置
半導体の心臓ともいえるのが露光装置ですが、主にASML、ニコン、キャノンの三社がしのぎを削っています。当初こそ、ニコンやキャノンの独占場でしたが、現在はASMLに完全に負けてしまっています。特に海外勢ではASMLの露光装置が独走しており、ニコンやキャノンが開発した露光装置は日本でしか見られない、といっては言い過ぎでしょうか、撤退とはいわないものの、市場シェアを考えると、過度に消極的になっているようです。その原因についてはいろいろな人によっていろいろな言及が繰り返されていますが、唯一売れている日本半導体メーカーが苦戦を強いられているところをみると、言わずもがなでしょうか。さらに残念なことに、世界的な半導体メーカーの多くの投資は一通り終えているといえ、今更、高性能の露光装置を出したところで大きく売り上げを伸ばすのは不可能と言えるかもしれません。400mmウエハー時代の幕開けも大きく遅れており、ASMLにしてやられた、恰好となっています。
日本のシェアが大きい半導体製造装置
縮小投影露光装置(ステッパー)
フォトマスク原画を縮小しながら投影露光し、ウエハーに焼き付ける露光装置
テストシステム
ウエハー状態あるいは実装のLSI良品を選別・評価するためのテストシステム。ATEと呼ばれる。そのなかにはロジック用とメモリ用がある。
ウエハープロービングマシン
完成ウエハーに測定端子を接触し、ウエハーのチップ(ダイ)ごとに測定するための測定ステージ
レジスト塗布現象装置(コータ・デベロッパー)
製造工程においてウエハーにレジストを塗布/剥離する装置。
洗浄システム
製造プロセス間で使用するウエハー洗浄装置
ダイシングソー
ウエハーからペレットに切断する装置
半導体製造装置メーカーの一覧
アプライドマテリアル
東京エレクトロン
ASML
KLAテンコール
アドバンテスト
ラムリサーチ
キャノン
ニコン
日立ハイテクノロジーズ