シリコンウェハーとは、
端的に言って、半導体とはシリコンのことです。(近年では、シリコンバレーといえば、Googleやマイクロソフトなどのソフト屋のイメージですが、そもそもは“シリコン半導体の渓谷”だからシリコンバレーというのだ、と思っています。)ただ、半導体で使用されるシリコンは純度99.999999999%以上と非常に高い純度のシリコンでできています。9が11個並ぶので、俗にイレブンナインと呼ばれています。シリコンでできた銀色の丸い円盤をシリコンウエハーといい、このシリコンウエハー自体、といいますが、シリコンウエハーについてもかっては、日本の独占場だったものが、いつのまにか韓国企業を中心に海外勢にシェアを奪われてしまいました。wikipediaによるとウェハースというお菓子が名前の由来とのことです。そういえばウエハーを置く器をチャックこれも“チャックする”という和製語からきたものだと聞いたことがあります。ものすごく高い技術で作られています。
シリコンウェハーとは、なにか。
繰り返しますが、シリコンを原料としてシリコンウエハーが作られます。これが半導体の元になる最初の原型ですね。非常に薄く簡単に割れてしまうので、取り扱いにものすごく神経を使います。この円盤の中に印刷・撮影技術を使って回路を書き込んでいき、LSI半導体が出来上がります。この一枚のウエハーの中にどのぐらいの数の回路を書き込めるか、つまり、LSIの集積化・小型化が半導体メーカーの技術の重要なポイントとなるのです。小型化・集積化の中でどれほど高性能な半導体をどう作るかが直近の半導体のテーマーとなっていますが、そろそろ限界では?と言われ続けてもいまだに進化し続けていることが半導体メーカーの凄みである一方、技術革新に追いつけなければ市場から消えてしまうというビジネス上の彼岸でもあるわけです。
ムーアの法則
ムーアの法則という言葉をご存知でしょうか。半導体のチップの集積度は約18か月で2倍になる、というものです。さすがに昨今ではその勢いも陰りが見えたとはいえ、技術革新の競争はグローバル経済の中でますます激しさを増しているといえる、といえます。
シリコンウェハの歴史
シリコンウエハーの口径の大型化
シリコンウエハーは当初3インチから始まりました。数年ごとにどんどん大きくなっていき、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチ。20XX円には18インチまで大きくしようとしていますが、大きく遅れているのが現状です。(ちなみに1インチは25.4mmです。)では、どうしてどんどん大きくなっているのか、ということを考えてみましょう。半導体は主に半導体製造装置によって機械・コンピューターによって作られています。イメージできるでしょうか、全身白の服を着ているひとが見守る中でシリコンウエハーがそれぞれの製造装置に移動されていき、そこに露光装置その他で回路を焼き付けていく。最初からゴールまでを1ターンとすると、1ターンのうちに収穫できるLSIは6インチと8インチと12インチでは全く変わるわけです。8インチしか対応していない半導体メーカーと12インチを対応している半導体メーカーでは、全く同じものを作っているとしても、コストの面からはもはや勝負になりません。しかしながら、シリコンウエハーが大きくなるにつれ初期投資のコストは甚大になるので、半導体メーカーとしては技術的だけでなく財政的に大きな負担になります。しかし、シリコンウエハーが大きくなればなるほど、私たちはより安価で高性能な半導体商品(コンピューター)を得ることができるわけです。
シリコンウエハーの大型化に比例して肥大化する投資額
さて、シリコンウエハーの大型化に対応できるかいなかで半導体メーカーのシェアや順位、それどころか、その企業の生死が分かれてくる、というのは簡単にイメージできると思います。同じ性能の商品だったら1円でも安く納入したい、というのがクライアントの使命となっているからです。ただシリコンウエハーを数インチ大きいものを利用しようとすると、ほとんどすべての半導体製造装置を買い替えないといけません。工場規模から露光装置、測定機、洗浄、ちょっとしたロボットのありとあらゆるものを新型シリコンウエハーのサイズに対応したものに変えなければいけないのです。投資額が兆単位になることも珍しくありません。既存のサイズならともかく、次世代のサイズとなると、まだ世の中に存在しないものなので、半導体装置メーカーや半導体装置部品メーカーが決死の覚悟で開発に取り込まなければならず、それどころか、実際にできるかどうかもその段階では定かではありません。これほどの投資が追いつける企業はどこか?サムスン電子でしょうか。マイクロンでしょうか。東芝は。あるいは中国資本かアラブの石油王かもしれません。ただひとつわかっていることは、新型シリコンウエハーに対応できた企業は半導体業界の次の支配者になることができる、ということだけです。