半導体の製造では、下記の成膜を用います。
成膜する目的
○絶縁体としての役割を果たすため
○電気抵抗を下げるため
○製造工程全体としての下地作り
素子分離のための絶縁膜
半導体素子同士の分離には、MOSFETの薄いゲート絶縁膜に対して、フィールド酸化膜と呼ぶ厚い酸化膜を用います。
トランジスタ動作制御のためのゲート絶縁膜
MOSFET(MOS型トランジスタ)におけるMOS(Metal-Oxide-Semiconductor)構造のOxide、すなわち酸化膜にあたる。ゲート電圧をこのゲート絶縁膜(酸化膜)を用いる。とりわけシリコンを酸化した二酸化シリコン膜SiO2が使われている。
ゲート電極となるポリシリコン膜
MOSFETのゲート(G)の電極材料として、N型もしくはP型の不純物を添加したポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)を使う。ポリシリコン膜は、低抵抗なので、金属配線の一部として利用される。
金属配線材料の金属薄膜
アルミニウムや銅などの薄膜を金属配線として用いる。
素子構造の分離層間絶縁膜
金属配線間を絶縁するための酸化膜
保護膜(パッシベーション膜)
完成した半導体素子をゴミや湿度から保護するための膜。酸化膜や窒化膜(Si₃N₄)が用いられる。
電気抵抗を下げる膜
ゲート電極上やP型、N型の拡散層表面に電気抵抗を下げる目的でシリサイド膜が使われる。
LSIの保護膜
LSIの最上には傷や不純物の混入を防ぐため、ち密なシリコン窒化膜で保護される。(パシベーション)
なお、成膜を形成するために熱酸化法、スパッタ法(PVD法)、CVD法がある。
CVD:Chemical Vapor Deposition(化学気相成長)
→CVD
PVD:Physical Vapor Deposition(物理気相成長)
LP-CVD:Low Pressure CVD(減圧CVD)
AP-CVD:Atmospheric Pressure CVD(常圧CVD)
P-CVD:Plasma CVD(プラズマCVD)
HDP-CVD:High Density Plasma CVD(高密度プラズマCVD)
熱酸化法
→熱酸化法