半導体の日本とアメリカの事情の違い。
半導体の黎明期はアメリカでした。もともとは第二次世界大戦中ドイツや日本との戦争に勝つために開発したと言われています。アメリカの独占は許さない、と猛追したのが敗戦国の日本でした。
軍事製品としてのアメリカ半導体
半導体はもともとアメリカで生まれました。主には軍事用として、航空機の制御やミサイルの制御から始まり、アポロ計画の際には最も重要なアイテムとして作られたものです
インターネットが軍事目的として作られた、というのは有名な話ですが、そもそも半導体も軍事目的で開発されたとしても不思議な話ではありません。
近年、中国の半導体は軍部が主導で投資が進んでいますが、それも考えれば当たり前なことで、半導体に関わる我々は軍事兵器メーカーといっても間違いではないかもしれません。
家電製品としての日本半導体
しかしながら、日本ではアメリカと異なる進化をとげました。アメリカで開発された半導体に早期から注目し、これなら俺たちでも作れるんじゃね?というとんでもない発想から、実際に作ってしまうという日本の技術者のすごさです。
前者が軍主導だったのに対し、日本では一般企業だったため、民生品として作られました。冷蔵庫やテレビ、カメラなど一般の人々がコンピュータを楽しむために半導体やその商品が開発されていきました。戦後の歩みを考えると、当然の流れだったのかもしれません。そうして考えてみれば、ゲーム機としてのコンピューターが日本の企業が開したのもそうした背景があったからでしょうか。
自動車半導体の台頭
現代はそうした背景もほとんど歴史になってしまい、業界地図も様変わりしてしまいましたが、戦後すぐに電子立国と呼ばれ、礎を築いた日本という国は誇りに思ってしまいますね。
今後は、スマートフォンの需要も落ち着き、モバイル機器が必要としていた技術進化も成熟しきった感がありますが、これからは自動車半導体が台頭しているようです。
エアバッグ制御、エアコン、ワイパー、ETC、自動運転、側方監視、アンチロックブレーキシスタム(ABS)、社内LAN、マウントストップランプ、オートドアロック、パワーウィンドウ、メモリシート、パワーステアリング。
あげればきりがありませんが、こうした自動車用の半導体の開発は自動車メーカーとの強い連携が必要です。自動車メーカー側からみると、一度、共同開発がすすめば、他社に浮気することができにくく、半導体メーカー側からみると、スマートフォンやPCに比べれば数は限られますが、値崩れしにくく、安定経営につながります。
今後、半導体メーカーは、ますます、大量生産大量消費の汎用製品に向かう企業と、専門性の高くニッチな分野で活躍を狙う企業と二手に分かれそうです。
2020年以降の半導体
令和時代の半導体ですが、ディープラーニングやAIとして業界は大きな需要を見込んでいます。サムソンやインテルは覇者として大きな進展を見込めそうですが、日の丸半導体は大きな進化は難しいだろうと言われています。どうなるかはわかりませんが、今後の発展に期待したい、と。