導体と半導体について
導体とは、電気を流すもの(銅)であり、不導体とは電気を流さないもの(ゴム)です。半導体とはある条件下では電気を流しますが、また違う条件では電気を流さないもの(シリコン)です。科学技術の発展により例外は多くあります。半導体なセラミックスなんてのも世の中にはあるらしいです。具体的にどのようなものがあるか、次の画像を見てください。(半導体材料を知りたい方は1.3半導体材料へ)
原子
古代ギリシャの哲学者たちの間でこんな問題が話し合われていました。ここに金の延べ棒がある。この金を半分にしてみよう。さらに、そのまた半分にして、また半分にして、そのまた半分にして…を繰り返していくとどうなるのか。どこまでも分割してしまうのか、消えてなくなってしまうのか。いろいろな案が出回る中、ここで原子という考え方が生まれます。金の延べ棒を分割していくと、いずれは分割しきれないモノになるのではないか。そうに違いない。それを原子と名付けようと。
電子や原子核
私たち日本人は、初等教育あるいは文化レベルで自然と原子の考え方がしみつくよう教育されてきました。疑いの余地もない常識となっており、理科を得意としていない多くの人たちはそういうものなんだなぁと思っているはずです。しかし、高校に進学したとたんでしょうか、この説明があまりに簡単に覆されてしまいます。分割されないモノと定義されていたはずの原子が、いつのまにか原子核と電子に分かれ、共有結合やイオン結合がどうだ、電子の受け渡しがどうだこうだ話しながら、たんたんと黒板に数式が書かれていました。原子核と電子に分かれたら、分割できないモノじゃない!と心の叫びは華麗にスルーされ、おいおい、と思いながら、原子核こそはこれ以上分割されないよね?と思っていたら、いうこっちゃない、大学に入ると、原子核をつきつめるとクォークというものがあるなんて噂が聞こえてくるじゃないですか。このあたりで凡人にはついていくことができず、いろいろとあきらめてしまいました。
半導体
さて、多少不服ではありますが、物理講師によって電気が流れるとは自由電子が移動することを意味することがわかりました。導体である銅や銀はものすごーく自由電子が動きやすい一方、ゴムやセラミックスはものすごーく自由電子が動きにくいのでしょう。だから電気は流れない。こうなると、導体、不導体があるなら、その間、普段、電気を流さなくとも、ある条件下(高温など)だと電気が流れる物質もあるわな、と思います。それが半導体です。たとえば、半導体の代表格であるシリコンは自由電子が原子核に強く拘束されているのでなかなか電気を流さない、ただ高温になると原子核の拘束から解き放たれ自由に動きだしていく、ということです。
導体・・・電気を通す、電子を多く持ち移動しやすい。アルミニウム、金、銅、銀。
不導体・・・電気を流さない自由電子が少なく移動しにくい。セラミックス、石英ガラス、ゴムなど。
半導体・・・電気を流さないが、一定の条件下で電気を流す。シリコン、ゲルマニウム、炭素(カーボン)。
半導体の定義は下記のとおりです。
・常温で1×10sup−3;~1×10sup10Ω・cmの低効率を有する物質のこと
・低温ではほとんど電流を流さないが、高温にアンルに従い電気伝導率が増加する。また極低温ではほぼ絶縁体に近くなる。
・半導体は温度が上昇すると急激に抵抗が減少する。これに対して金属などの良導体は温度上昇とともに抵抗が増加する。つまり、半導体は負の温度特性を有し、金属は正の温ンド特性を有する。
・半導体は不純物の添加や光、熱などの外部エネルギーによって強く反応し、内部抵抗が大きく変化する。